『景気把握のためのビジネス・エコノミクス』

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三上真寛著(2022)『景気把握のためのビジネス・エコノミクス』学文社。

 ビジネス、経営、企業行動を正しく導くための景気把握とは。景気の動向はどのようにして把握されるのか。本書では、ビジネス・エコノミクスのうち、特に日本経済の動向と景気の判断に関係する事項を簡明に概説。

 家計や企業などの4部門が、金融市場などの3つの市場を通じて相互に結ばれている一国経済。第1部では、このマクロ経済循環を捉えるためのさまざまな統計データや経済指標を見ていく。第1章・第2章では、景気の全体にかかわるGDPや景気動向指数など、第3章・第4章・第5章では、消費・貯蓄・生産・投資・労働・雇用など、各部門がおこなう経済活動について、解説。 第1部での知識を前提として、第2部においては経済政策や国際経済にかかわる事柄をとりあげる。第6章・第7章では、日本政府や日本銀行による財政金融政策を、第8章では、インフレ・デフレのしくみを解説する。第9章では、日本経済と国際経済のつながりを国際収支と為替相場の観点から見ていく。第10章では、それまでの各章で扱った経済指標に触れつつ、経済成長に必要なさまざまな要素をとりあげ、停滞が続く日本経済の行方を考える。

 数学的な難解さは少なくし、各章末には計算問題を収録。マクロ経済への理解を深めることで経営の取るべき方向性が見えてくる。入門書としても最適なビジネス・エコノミクスのテキスト。